保留床が売れない責任逃れを目論む

2011.11.26

再開発の対象地域は四・三ヘクタールだ。当初は四〇〇人ほどいた地権者や借地権者は、その半分ほどが買収などに応じて二〇〇三年春には二〇〇人余になっている。再開発事業を始めるには、営業中の商店を仮店舗に移さなければならない。横浜市はその仮設店舗の建設に都市再生本部がお気に入りのPFI制度を導入することを決定した。地権者を驚かせたのは、横浜市がなんの相談もなく突然、この再開発事業本体に、都市再開発法の「特定施設建築物制度」を導入すると発表したことだ。

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この制度では、施工者の横浜市に代わって民間事業者が再開発ビルの建設を行なうことになる。まさに都市再生本部のスローガン通りの民間活力の活用だが、地権者たちは、「横浜市は責任を放棄して、民間業者に事業を丸投げした」「今後はだれと交渉すればいいのだ」と怒り、混乱した。ここでも横浜市の魂胆はよく見える。この制度ではまた、民間業者が「保留床」を取得することになっている。再開発の建設費用は、低層の商店街を高層化して、増えた床の相当部分を保留床として売却してまかなう。ところが、バブル崩壊以後は地価の下落が続いているので、着工前に設定された高い床価格では売れず、したがって大赤字になるという事態が全国の再開発事業で続発している。横浜市にしてみれば、事業を業者に丸投げすることによって、保留床が売れないという場合の責任を避けることができるのだ。





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