千年住宅の設計には、レベル設計という方法を採用したい。レベル設計とは、レベル1に千年もたせる構造躯体、レベル2に五百年をもたせる扉など、レベル3に仕上げや設備といった交換を必要とする百年というように、ゾーンごとに耐久性を決めて設計することである。レベル1にあたるゾーンは、その家にとってもっとも大切な部分だ。一般的には家族が集まる食堂、居間などもそれにあたる。人によっては、アトリエや音楽室がレベル1の場合もあるだろう。レベル1のゾーンは、あまり仕切りなどせずに大きめにつくっておく。そうすることで、次世代の人がレイアウトやデザインを自由に変えることができるからだ。自己調湿性のある材料を用いて快適な居住空間をつくり込むのもいいだろう。また、当然であるがレベルのゾーンは、地震や火災に対して最大限の備えをしておく。寝室や書斎、子供部屋などの個室は、レベル2のゾーンがいい。レベル2とはいっても、五百年はもたせるのだから、当然部屋の主は変化する。大きな枠組みをしっかりつくり、小さな手直しが容易にできるように配慮しておく。レベル3は、トイレ、浴室、台所などの設備に関連する部分である。このゾーンは百年ごとに改修する。できれば、トイレ、浴室、台所などは設備棟として別棟とするのが理想である。それが無理な場合は、「水回りの設備は集める」という建築の原則に従っておくのが基本だ。
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