最低限の都市機能、あるいは街づくりという点でも、何かが足りない

2011.10.14

臨海再開発エリアには、最低限の都市機能、あるいは街づくりという点でも、何かが足りない気がする。湾岸、臨海系の街では、相変わらず従来とまったく同じ手法で開発が進んでいる。大型ショッピングモールを誘致し、都心への利便性と職住近接を望む一次取得層をターゲットにした、華やかで狡猾なプロジェクトである。学校、病院、神社仏閣などさまざまな都市機能のバランスを欠いた、一時的な利便性だけを訴求した街が、本当に、30年後も繁栄した形のまま残るのか。これは、壮大な実験ともいえるが、入居者は、実験に利用されるモルモットにされてはたまったものではない。私は、ショッピングモールと施設所有者との間で交わされた賃貸借契約書を見てみたいと、常々考えている。その商業施設は、どんなに赤字になろうと、永遠に(とまでいわないが、少なくとも50年ぐらいは……)、そこにあり続けるのだろうか。住宅ローンを払い終わって自分がその地で死ぬまで、そこで営業し続けてくれるのだろうか。とはいえ、最近は、こうした街にも評価できる点がないわけではない。分譲棟と一緒に大規模な賃貸棟が併設され、地域の世代交代と代謝が継続的に循環するように配慮してあるケースも散見されるからだ。特定の層が集中して偏在しないように、間取りのパターンもバリエーションが増えたりしている。こうした地道な改善策は、街の衰退を防ぐうえで一定の効果があるだろう。

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