いよいよ家を出て行くという日、玄関先にミニアルバムを置いて、「出て行くなら、それも一緒に持っていって。邪魔になるから。いらなかったら捨てるから」と、言ったそうです。娘さんが靴箱の上を見ると、20冊近いミニアルバムが置かれていました。育てた恩も忘れ、後足で砂をかけるように親の反対を押し切って出て行く娘を、その方はどうしても許すことができませんでした。出て行くなら出て行けばいい。この家には娘のものは何一つ残すまいと決めて、もう着なくなった洋服などをまとめていたそうです。
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「これは七五三のときの着物。両親も私の結婚を許さず、子供が生まれてもずっと知らんふりしていたのに、私が離婚して、孫が不憫になったのか、3歳の七五三のときに、着物を作って送ってくれたっけ」「これは高校の制服。私立には行かせてあげられないと言ったら、本当に一生懸命勉強して……」「これは就職をお祝いして、買ってあげたスーツ。こんなの、まだ持っていたんだ」